ひきつけたとき

 子供のひきつけのほとんどは発熱時におこる熱性痙攣です。
意識をなくし手足をふるわせて白目をむくので、驚いて体をゆさぶったり、頬などをたたいたりしがちですが
刺激を与えると、かえって長びくことがあります。
 服をゆるめ、吐いたら腹ばいにさせて口から出やすいようにしてやり、気道を確保しましす。
 以前は舌を咬まないよう、割り箸などを食いしばった歯の間に入れるようにいわれていましたが
実際には舌を噛むことはなく、無理にこじあけようとして歯を折ったり、舌を押し込んで窒息させかねないので、
何もしないほうがよいのです。
 落ち着いて状態をよく見ることが、その後の診断に役立ちます。

 その時よく見るポイント。
 1、手足をこわばらせているだけか、ピクピクしているか?
 2、ひきつけのようすは左右同じかどうか?
 3、呼びかけて反応があるか?
 4、目の状態は?目玉が上か下か、正面に止まっているか?
 5、呼吸は不規則か、止まりそうな感じか?
 6、唇の色は?紫色か、普通か?
 7、発作は何分くらい続いたか?10分以上もひきつけているときは病院へ。
 8、ひきつけのあと手足の麻痺はあるか?
 9、ひきつけのあとすぐ泣いたか?

これらをできるだけ正確に告げてください。ひきつけの後は必ず熱をはかること。
 

 単純型熱性痙攣なら、痙攣直後には38度以上の熱があり、初めておこすのは6ヶ月から4歳の間で、1回のひきつけの持続時間は
15分以内、1回の発熱中(1〜2日間として)にひきつけをおこすのは2回までがほとんどです。
 熱性痙攣をおこした子供のうち、約半数は一生に一回きりで、残り半数が何回かくりかえします。
 熱性痙攣には他の病気がかくれていることがあるので、くり返す場合や単純型熱性痙攣の症状に合わないときは、精密検査を受けてください。
 数回以上くり返すと、抗痙攣剤が処方されることが多いでしょう。
 
 熱性痙攣と診断がついていて、2,3回以上痙攣発作を繰り返すときは、発熱時に予防のための坐薬を使用します。
 また解熱剤を安易に繰り返し使うことは勧められませんので、医師に相談してください。